女教師
(図書室の隣で)
本を貸す約束を思い出し、当直室の窓まで戻る。
火鉢を前にうたた寝する そんな姿を見てしまって
どきり、と思って身体を引いた。
本を好んで目を弱くして、眼鏡を使っちゃいるけれど 彼女は実に魅力的な同僚。
鍵を廻す音が響かぬように、図書室の扉を開けて
さあ、ここにおいておきます。(お休みなさい)
さして年も違わぬ生徒を 教え疲れて日は暮れる。
『女孔子』の綽名でもって、ずっとこうしているのかしら?
おしまい
雪見女学院の助教授、三輪モト先生。ラブ話を考え中です。